2017-03-24

カーコンビニ倶楽部株式会社
林成治社長[後編]

自分のためにやる苦労なんて大した苦労じゃない、周りの人のためにっていう苦労はあきらめようがない。

(社長、カーコンに携わってどのくらいになるんでしたっけ?)

まあ、丸々6年超えたね。

(金融業界の風雲児から自動車業界への転身。もう6年ですか、大きな挑戦が続いてますね。)

うん。まあ、でもそれってカーコン始めてからっていう話じゃなくて、それまでの何十年とサラリーマンの時から、ある意味ずっと挑戦を続けてたって話よ。

(確かに。急にそれをやり始めたからってできることじゃないですし。)

そりゃ、何十年もそれを繰り返してきて、それがカーコンで同じようにやってるっていうだけの話。

(メンタルが本当強いなと思います。)

メンタルが強いっていうのは、結局「諦めない」っていう事だけどね、自分のためだけにやっているとメンタルは強くならない。

自分が自分に負けてもな、自分一人で負けてるんだったら、そりゃ大した影響ないわけよ。
自分が自分に負けるっていうことが、周りのその何百人、何千人の生活に影響があると思えば、諦められないのよ。

(ああ。すごく重みがあります。)

そこのとこなんだよ。
自分のためだけにやる苦労なんて、そりゃもう大した苦労じゃないのよ。
でな、そういうやつは、すぐに諦めるのよ。

周りの人のための苦労っていうのは、諦めようがないわけ。
自分が自分に負けそうになった時に周りの人たちの顔が浮かぶわけよ、そこんとこなのよ。

(なるほど。自分に負けない、諦めない。その強さはそういうところにあるんですね。)

やり始めたことを途中で「もう手を引く」って言えるのは、そりゃ楽なんだよ。

でも、一旦、人を巻き込んだらな、そりゃ、どうやったてな成功させなきゃいけない。
逃げようがない。

(強いです。そういう強さが事業を成功させて、周りの人を幸せにした結果、お金を運んでくる部分もあるんでしょうね。)

神様がね、どっかのところで素敵なプレゼントをくれるわけよ。

注意力のない経営者は絶対に成功しない。

(それと常日頃から思っているのですが、社長はやっぱ人をよく見てる、付き合う人や一緒に働く人だとか。)

そりゃあね、注意力のない経営者はね、絶対成功しないから。
注意力のないようなやつは、こりゃ経営しちゃいけないのよ。
周りを見るなんて、当たり前の話。

注意力、観察力がないなんていうやつは、事業なんてする資格がない。そもそも。
注意力、観察力がないやつは、結果として「直感力」がなくなるわけよ。

いつも頭がボケてるから。

(ちょっと過激ですが。笑)

頭死んでるやつが直感力あるわけないだろ、何にも気づかないのに。

色々なことに気がつくから、直感力が生まれるわけよ。

まあ、直感力は、生まれつき持っているとか持っていないとかっていう話じゃなくて、直感力を身に付けたいと思ったら、注意力と観察力を磨けっていう話よ。

ちょっとしたミスでも、すぐに目に入らないようなら、そんなもん直感力があるわけない。
目に見えるものに対して観察力がないやつがさ、目に見えない色々な情報に対するアンテナが立ってるわけがない。目に見えないものに辿りつく事なんて絶対にない。

当然、色々なアイディアも浮かばない。だから、アイディアが浮かばないやつらっていうのは、そもそも注意力と観察力がないわけよ。そして、そういうやつは事業もできないわけよ、そういうやつが事業をするとすぐに失敗する。

(注意力、観察力というものは持って生まれたものですか?磨かれるものですか?)

そりゃ、磨かれるよ。
興味があるものをたくさんもつと良い。

どんなしょうもないやつだって、自分の好きなものに対しては観察力があるはず。それを色々とね、広げていくことよ。
もっとな、もっと基本的なことを言うと、注意力と観察力っていうのはね、「物事に対して疑問を持つ」ということよ。

(確かに自分が好きなことだったら気になるし、深掘りしますよね。何が問題なんだろうと思う。でも、興味関心がなければ問題意識も湧かないし、そこを疑問には思わないですね。)

物事に対する疑問を持てないやつは注意力、観察力がないわけよ。

例えばゴルフが好きだとするじゃないか。
そうすると、ゴルフで「なんでこんな球を打ったんだろう」ということを原因分析するのよ。
まず「何でだろう」と疑問を持つ、最初にそこがあるから、それをどんどん調べていくうちに同じミスを繰り返さないようになる。

(多分、大多数の人が日常生活で起こった失敗に対して、特に理由を考えずに漫然と過ごしていると思います)。

だいたい、みんなそうよ。
失敗したら失敗したで、何で失敗したかを考えもしないで
もっと言うと失敗を失敗とも思わないでな、んでな、そのまま一生を終えるだけよ。
さらに言えばな、何回も何回も同じ失敗をするやつは、自分に対して恥もプライドもねぇんだよ。何の為に生まれてきたかわからねぇやつはたくさんいるよ。

何も考えない人が何かを成し遂げる事はない。

(ずいぶん過激ですが、日々の出来事に何の疑問も持たず過ごすことはそれだけ危険だって言う事ですね。)

そうそう。
だから「疑問を持て」ということなのよ。
本当にこれ正しいんだろうか。
何でこれこうなったんだろう?っていう
原因究明をしていく。

原因究明するっていうのは、疑問に思うっていうことだから。
そもそも疑問に思わないやつは、原因も究明しないわけよ。

原因を究明しないやつは対応策も何もないわけよ

仮に原因も究明しないで対応策を取ったとしたらな、同じ失敗を何回も繰り返すことになるだろ。原因が究明されてないから。

だから、原因を究明するっていう事は、本質を見極めるっていうことになってくるわけだ。

「疑問に思う」っていうことは、
最終的には本質を見極めるっていうことだ。

本質も見極めないうちにな、途中で考えをやめるから、また同じ失敗を繰り返すわけよ。

(すごくわかりやすいですね。)

そういうな、「物事の原理原則」を長い年月生きていく中でね、自分自身で掴むわけよ。
それを掴むために、皆、生まれてきたんだよ。だから人生は失敗の連続なんだよ。様々な失敗が本質を見極めるきっかけになるんだよ。馬鹿に言ったってわかんねーだろうけどな。

(失敗した中で原因を究明して軌道を修正するか、それを失敗と思わずにそのまま失敗を繰り返し続けていくかで大きく差が出るということですね。)

うん、そう。
だから、「何も考えないやつが何かを成し遂げるわけがない」という話よ。

(納得です。)

まあ、だいたい大半の人は「No Play , NO Error」だからな。基本的には。
何もやらなきゃ何もミスすることがないわな。大企業になればなるほどそうだよ。ただ起業を志す人間は、そうはいかない。

(「No Play, No Error」で良しと云う人、同じような失敗を何度も繰り返して失敗から何も学ばない人、本質は同じでしょうか。)

そりゃどっちも同じだよ。
「No Play , NO Error」は間接的に組織を衰退させるんだから、結果として周りに迷惑をかけている。
そして、同じミスを何回も繰り返す人は、周りの人にね、やっぱり迷惑かけてるわけよ、周りの人の時間を無駄にするとかな。
でもそういう人は周りの人のことなんか考えてないから気づかない。それで同じことをまた繰り返すわけよ。その結果、組織を衰退させていくわけよ。

だから疑問を深掘りするっていうのは、失敗の原因を深掘りするだけではなく、この失敗によって迷惑をかけた人は誰なんだ?っていうのもね、考えることもね、疑問のスタートから始まって究極そこに行くわけよ。

そういう事が出来ない人が経営なんか絶対たずさわったらダメ。
人に迷惑かけるだけだから。

「仕事とは苦しいもの、それを楽しくやる。」

(社長の話を聞いていると「経営にたずさわったらダメ」というポイントが自分にも当てはまることが多く、耳が痛いです。)

え?何?(笑)
そんなことはないでしょ。やんちゃんは〜。(笑)

これは、それをまた気がついて、それを修正していくかどうかということなの。
これ、もう何度も注意したって同じことを繰り返す馬鹿がいるからね、それがダメなの。

(そうですよね。とはいえ、僕も同じ失敗を結構繰り返してしまう方ではあるのですが。それでも、社長と接する機会が多いおかげで自分の失敗に対して深掘りする癖がついてきたというか。)

俺もサラリーマン時代に同じように色々勉強させてもらった恩師がいるけどね、
そういうのをね、まあ偉そうに言えば「薫陶を受ける」ということなんだよ。
門前の小僧習わぬ経を読むというかね。

(ありがたい環境です。普段から誰と過ごすかっていうのは大事なことですね。)

結局ね、長く付き合うじゃないか?
長く付き合うっていうことは一緒にいて居心地がいいのよ。

俺は、ネガティブなやつだとか、怠け者といると居心地が悪い。失敗を繰り返すやつとかもね。
だから、俺はそういうやつとは段々付き合わなくなる。
自分がその人といると違和感を感じるから。

(でも、社長は普段、そういう姿を見せないですよね。難しい相手と居ても普通に接しています。)

仕事だから。

仕事は苦しいのよ。
仕事だもん、だって俺は仕事のためだったらさ、子供に対してでも土下座できるからね。俺は。

仕事だから

(土下座ですか。)

そんなところでプライドがどうのこうのなんて言ってるようなやつでね、仕事なんかできるやつなんかいないよ。仕事のためだったら土下座だって何だってするからね、俺。

仕事とは苦しいものよ。それを楽しくやる。
楽しくやるっていうのは、その苦しみの先の成功が見えるから。

まあ、一貫してるよ。どんな時だって。
行き当たりばったりだなんてそんな生き方はしてないから。

ちっぽけな成功を目指すと後でストレスが生まれる。自分に大きなハードルを課して、それを乗り越えろ。

(僕はここまで行き当たりばったりで生きてきた感もあり、反省です。)

え?何?(笑)
そんなことはないでしょ。やんちゃんは〜。(笑)

まあ、やんちゃんはどうであれ、俺は行き当たりばったりでやってないから。
最終のゴールをいつも追い求めているからね。
だから、会社をね、カーコン買う時に金を借りる時だって、株は担保に差し出すけど、最終的には一株も渡さないという条件を崩さなかった。そこのとてつもないハードルは崩さなかった。
それがもし崩れたら、買ったとしてもうまくいくと思えなかったから。

だから、その苦しいハードルをあえて自分で作って、そのハードルを乗り越えた。

(困難なことほど、乗り越えた時に得るものが大きいということですよね。どうしても人はハードルを低く設定してしまう。そうすると得るものも小さくなる。)

ちっぽけな成功を目指すと、それを手に入れた後で残ってくるのは最終的にはストレス。
必ずストレスを生むから、それは。
何でそんな低いハードル設けたんだろうって。
一定の成功をつかむかもしれないけど、そうなった時に必ずストレスが生まれてくる。

(社長も会社買う時に株を譲っていたら、今、ストレスが生まれていたかもしれませんね。)

まあね。
やんちゃんはそんなストレスを生むような行動はしないでしょ、やんちゃんは〜!(笑)

やるなら大きなハードルを自分に課してそれを乗り越えていくんだぞ。
決して自分に負けるんじゃないよ。

(そこは社長の薫陶を受けてますからね。笑
林社長、今日は本当にありがとうございました!)

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